施工内容
隠蔽の(天井裏に設置されている)全熱交換機の、加湿モジュール清掃・エレメント洗浄作業です。
加湿をする際に、エレメントへ水道水を流し込むので固体カルキや赤カビ、特に古い機器ですと金属部の錆等の汚れがドレンパンに溜まります。これらの汚れを放置すると、排水のつまりを引き起こしトラブルの原因となります。
施工風景
エレメント給水ホース取り外し
エレメントへ接続されている給水ホースを取り外します。
エレメント取り外し後
1つ取り外してみると、下部のドレンパンが錆とカルキですごい汚れでした。かなり放置されていたようです。
加湿ドレンパン清掃前
錆、カルキで大変な汚れです。このままでは排水管がつまり、水漏れ等重篤な問題を引き起こす可能性があります。
加湿ドレンパン清掃中
スクレーパーで固着したカルキをパンから削ぎ落す必要がありました。排水管へ固形物が流れないよう注意してゴミを集めます。
加湿ドレンパン清掃後
本来は常にこの程度に保っておくよう定期的なメンテナンスが必要です。
通水確認
最後に、排水機能が問題ないか最終チェックします。実際に水を入れてみて、正常に排水されるかを目視にて確認します。
コラム: 加湿モジュールと、加湿エレメントの違いとは?
1. 加湿モジュール(空調機器における加湿モジュール)
空調機器における加湿モジュールは、空調システム内で湿度を管理・調整するためのユニットです。このモジュールは、室内空間の湿度を適切な範囲に保つ役割を果たします。加湿モジュールの主な特徴としては、
- 加湿制御機能:空調システム内で、湿度センサーと連携して加湿量を調整します。例えば、空調機器が湿度を感知し、必要に応じて加湿モジュールを作動させ、室内の湿度を一定に保ちます。
- 加湿方式:加湿モジュールにはいくつかの加湿方式があり、代表的なものとして「スチーム式(加熱式)」「超音波式」「気化式」などがあります。加湿モジュールはこれらの加湿方法を実現するためのシステムを組み込んでいます。空調機器においては、「滴下浸透気化方式」が最も多く採用されています。
- 空調機器全体の一部:空調機器内の「空気処理ユニット」の一部として組み込まれ、冷暖房の運転に加え、加湿や除湿も行います。
加湿モジュールは、空調機器が室内環境の温度・湿度を調整する機能を担っている中で、湿度を維持・調整するための重要な構成要素です。
2. エレメント(空調機器における加湿エレメント)
空調機器におけるエレメントは、加湿モジュールの中で、実際に加湿を行うための具体的な部品です。加湿エレメントは、湿度を発生させるために必要なメカニズムを担当します。例えば、以下のようなエレメントが使われます:
- 加熱式加湿エレメント:加熱ヒーターが組み込まれたエレメントで、水を加熱して蒸気として放出します。これによって、空気中に水蒸気を供給し、湿度を上げます。
- 超音波加湿エレメント:超音波振動板(振動子)を使って、水を微細な霧状にして空気中に拡散させるエレメントです。この方法はエネルギー効率が良く、音が静かという特長があります。
気化式加湿エレメント:フィルターやパッドを用いて、水を気化させるエレメントです。空気がこれらのエレメントを通過することで、水分が蒸発し、湿度が上昇します。空調機器においては、こちらの方式が最も多いです。
エレメントは、加湿モジュールの内部で水蒸気を発生させるための「実際の加湿作業」を行います。空調機器では、このエレメントが湿度調整において重要な役割を果たします。
主な違い(空調機器において)
- 加湿モジュールは、空調システム内で湿度を調整するための全体的なユニットで、湿度センサーや制御システムと連携して、必要に応じて加湿機能を作動させる役割を持っています。加湿モジュールは空調機器の一部として、室内の温度・湿度管理を総合的に行います。
- エレメントはその加湿モジュール内にある具体的な加湿部品で、実際に水蒸気を発生させる作業を行います。加湿エレメントは加湿モジュールの中で動作し、空気中に水分を供給します。
簡単に言うと、加湿モジュールは「湿度調整のシステム全体」であり、エレメントはその中で「実際に加湿を行う部品」となります。